それでは、まず手作り食の基本レシピを紹介します。
下の表に示す割合を守れば、犬にとって非常に良い手作り食を作ることができます。
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| 健康な犬用のレシピ |
| 食材 |
重量% |
説明 |
| 幼犬 |
成犬 |
高齢犬 |
| 肉類等 |
50%以上 |
40%以上 |
30%以上 |
・魚や卵類、乳製品などで一部を置き換えてもかまいません。
・内臓肉や軟骨などもOKですが、レバーは5%以下にしましょう。
・肉類の重量は加熱調理する前の重さで結構です。
・軟骨などコラーゲンの多い部分を加えるのも良いです。
・脂身のない肉類のみを与える場合は必須脂肪酸補給のために植物油を
2%程度加えてあげましょう。 |
| ごはん |
〜40% |
〜50% |
〜60% |
・普通の炊いたごはん(白米)が最もお薦めです。 |
| 野菜等 |
10% |
10% |
10% |
・野菜は軟らかく加熱調理したものを使いましょう。さらに細かくすりつぶす
ともっとよいでしょう。(野菜の重量は加熱調理する前の重さです。)
・市販の野菜ジュースを使うのも手です。
・海草、ごま、酵母、胚芽など栄養補給したいものを少量入れてもかまい
ません。 その場合も粉砕する方がよいでしょう。
・ほうれん草やえぐみ、しぶみ、あくのあるものはシュウ酸が多いので避け
ましょう。
・フードプロセッサーやミルがあると大変便利です。 |
| HPサプリ |
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2% |
1.7% |
・この手作り食用サプリメントを加えることによって、犬に必要な栄養素を
満たすことができます。他の栄養素やサプリメントは添加すると栄養過剰
になってしまう ことがありますので、お避けください。 |
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| 味つけ |
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・調味料は基本的には不要です。
食べない場合は塩分の少ない少量の調味料を加えてもよいでしょう。
(塩分の少ない天然だし、かつおぶし粉末、昆布の粉末、乾ししいたけ
の粉末、減塩しょうゆなど)
犬は汗腺が少なく汗をほとんどかかないため、塩分の補給もほとんど必
要ありません。一方、乾物換算で1%程度までの塩分であれば問題はな
いとされていますので、それほど厳密に減塩に神経質になることもないと
思われます。 |
避けたい
もの |
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・たまねぎ、ねぎ類、チョコレートなどは中毒を起こすことがはっきりしてい
ます。
・そのほかにもイカ、タコ、鶏や魚の骨、生の豚肉、シュウ酸の多いほうれ
ん草等は要注意です。 |
(今までの表よりもライフサイクル別に詳しく表示しました。)
さて、以下には各食材について説明してあります。
時間のある方はご覧ください。
犬の栄養要求の特徴
犬は分類上は食肉目の動物です。人間との長い関わり合いのせいで、今でこそ準雑食性ですが、もともとは肉食性だったのです。肉食と言えば、肉に多い栄養素の代表は蛋白質です。というわけで、犬は多くの蛋白質を必要とし、人の3倍以上の量を必要とします。また、蛋白質には植物性のものと動物性のものがありますが、もちろん犬にとっては動物性の方が消化吸収しやすいのです。もうひとつ、肉食であったことの特性として、犬は骨が大好きです。つまり、栄養素としてはカルシウムを非常にたくさん必要とします。犬のこうしたもともと肉食であったことの特性をよく理解しておくことが必要です。一方、今や準雑食性である犬は野菜類、果実類も好んで食べますが、これらを多量に与えすぎるのはよくありません。彼らの消化管はそれらを一度に大量に消化吸収できるようにはできていないのです。こうした植物性の食材は、犬に必要な微量栄養素を補給し、栄養バランスを整えるために必要な量を与えるだけで良いのです。
食材について
肉類:
前述しましたように肉類は犬にとって非常に重要な蛋白源です。ただし、肉といっても我々人間が食べる精肉というものは、犬にとっては栄養素的には非常にアンバランスなもので、カルシウムが極端に少なく、リンが多くなっています。犬はカルシウムを大量に必要としますので、肉だけを食べていると、ミネラルの栄養バランスの中で最も大切なカルシウムとリンのバランスが崩れて、容易に健康を損なってしまいます。肉類は犬の食事の基本となりますが、他の食品と平行して使い、カルシウム源を別に与えることで栄養のバランスを補います。 魚の肉も肉類として使用することができますが、魚の場合は骨を取り除いて与える必要があります。骨がささって危険だからです。魚は蛋白質以外にも不飽和脂肪酸の供給源としてもとても重要です。 内臓肉も貴重な栄養源です。内臓には筋肉にない栄養素が多く含まれています。できれば、精肉といっしょに利用したいものです。ただ、内臓肉は量的にはたくさんは必要ないでしょう。肉類全体の1割以下でよいと思います。レバーなどはビタミンAが非常に多いので、与えすぎるとビタミンA中毒になってしまいますので、注意が必要です。 肉類は精肉を基本として与えますが、魚肉や内臓肉も使用して複数の種類の肉を与えるようにするとなおよいでしょう。
卵類:
卵は非常にすぐれた蛋白源で、蛋白源としては最も消化吸収しやすい高品質なものです。また、蛋白質以外にも多くの栄養素が含まれていて栄養のバランスも取れています。卵も食材として有効に活用しましょう。よく卵はコレステロールが多いので、取りすぎに注意するように言われますが、犬の場合、卵のコレステロールによる弊害はないと言われていますので、それほど気にすることはないでしょう。
乳製品:
牛乳やチーズ、ヨーグルトなどの乳製品もすぐれた蛋白源です。また栄養のバランスもとれているので、利用したいところですが、犬によっては乳糖の消化吸収が苦手でお腹の調子を崩す場合もありますので、与える場合には犬の状態をよく観察して、少量から始めた方が良いでしょう。便の調子が悪くなる場合には使用は控えましょう。チーズによっては塩分の高いものもありますので、そうしたものは避けましょう。塩分の少ないカッテージチーズなどがおすすめです。
豆類:
豆にはいろんな種類がありますが、日本ではなんといっても大豆がもっとも使いやすいでしょう。大豆は畑のお肉と言われる通り、蛋白質が豊富な食材です。たくさんの蛋白質を必要とする犬の食事に、動物性の食品だけで蛋白質を補給しようとすると、大型犬などではどうしても価格的には高くついてしまいます。そうした場合、この大豆を上手に利用する必要性がでてきます。その際、大豆の繊維質を取り除いた食品の方が犬のおなかには適しています。大豆の皮を除いてつくったきな粉や豆腐、ゆば、といった繊維素が少なく、一度粉砕や過熱調理されたものを使うと、犬にとっても消化吸収がよいし、使う方も便利です。(おからは繊維が多いのでお薦めできません。)日本にはこのような優れた大豆加工食品がありますので、これらを有効に利用しましょう。
穀類:
穀類に多くふくまれるのは炭水化物です。犬は人間ほど炭水化物の消化が得意ではありません。肉食獣が穀類を食べる場合には、獲物である草食獣の胃腸の中にある半分消化済みのものを食べるわけですから、犬に与える場合も調理して消化しやすくする必要があります。穀類の中で最もお薦めできるのはごはんです。穀類の炭水化物の中で米の炭水化物は犬にとって最も消化しやすい種類の炭水化物なので、穀類としてはごはんが犬には最も適しています。また、ごはんはすでに水分を加えて加熱してありますので、非常に消化しやすくなっています。他の穀類を与える場合は粉のものを加熱調理してから与える方が良いでしょう。
野菜:
犬が庭の草を少しかじっているのを見た人は多いと思いますが、先ほど述べた獲物の胃腸の中の植物を食べる以外に、このように自分から植物を食べることもあります。植物に豊富な繊維質やある種の微量栄養素を補給するうえで、野菜などの植物を少し食べることが必要なようです。とはいっても、人間のように大量の生の野菜を消化吸収する能力はありませんから、与える時は細かくつぶして、火を通してから少量与えることが重要です。
果物:
果物はビタミンやミネラルが豊富な上に、消化のよい単糖類をたくさん供給してくれます。単糖類はすばやくエネルギーに変換される即効のエネルギー源です。また、果物はその大部分が水分なので、水分補給にもなります。果物はイオン飲料のように疲れをいやしてくれるのです。消化吸収が比較的よいので生で犬に与えてもよく、食間におやつとして与えると非常に体によい食べ物です。また、ドライフルーツも不足しやすいビタミンやミネラルを補うのに有効です。ただし、これも大量に与えるのは控えましょう。
海草:
昆布、ひじきといった海藻類はビタミンやミネラルの宝庫です。これらの微量栄養素を補給する意味で、ぜひ使用したい食材です。昆布は甲状腺機能の働きに重要な役割を果たすヨウ素を補給する上でも重要です。これらも細かく粉砕して加熱調理してから与えた方がよいでしょう。
ただし、海草類は非常にヨウ素が豊富ですので、あまり与えすぎると逆にヨウ素過剰になり、これもまた甲状腺の病気の原因となりますので注意が必要です。
その他:
さて、いままで述べたような食品群をバランスよく与えたなら、犬に必要な栄養はすべてまかなえるかというと、そうでもありません。人間用の食材だけでは補えないものがあります。その代表はカルシウムです。犬には非常に大量のカルシウムが必要なので、カルシウムを別に補給する必要があります。骨をかじらせるのもそのひとつの方法です。カルシウムを補給するために、骨紛やリン酸カルシウムを入手できたら、それを使うのがよいでしょう。その他にも市販のカルシウム剤なども使えます。カルシウムは少なすぎても多すぎてもダメで、ある一定の範囲内で与える必要があります。また、カルシウムとリンのバランスも非常に重要で、カルシウム対リンが1:1から2:1の範囲内でないといけません。従って、カルシウムの補給に自分が使おうとしている材料の中に、いったいどれだけのカルシウムやリンが含まれているのかをよく調べてください。たとえば、骨紛やリン酸カルシウムはカルシウムの他にリンも多量に含まれていますが、卵殻カルシウムや乳酸カルシウム、グルコン酸カルシウムなどはカルシウムだけが含まれています。また市販のカルシウム剤にはカルシウムやリン以外のもの、例えばマグネシウムなどが含まれている場合がありますが、そのようなものは使わない方がよいでしょう。正しいカルシウムの量を犬に与えるために、自分の使おうとしているカルシウム補給材の中にどれだけの量がふくまれているのかを正確に把握しておくのがとても重要なのです。お勧めできるのは骨粉やリン酸カルシウムです。これらはある程度カルシウムとリンのバランスがとれていますので、カルシウムとして0.7〜1.5%の添加量になるように与えるだけでよいでしょう。成犬は少なめで0.7%程度、成長期の幼犬はその倍程度必要です。骨をかじらせている場合は3〜5割程カルシウム補給を減らしてよいでしょう。骨を与える場合、鳥や豚の骨は鋭く裂けて危ないので与えない方がよいでしょう。また加熱調理した骨も壊れ易く、鋭いかけらになるので与えない方が賢明です。
上記のような計算が面倒だという方には、犬に必要なすべての栄養素に加えカルシウムとリンを適正な比率で補給できる“ほりんふ”のHPサプリ(Home
Prepared Sapplement)が便利です。
その他に栄養補給には各種栄養素が豊富な酵母、必須脂肪酸であるリノール酸の補給のための植物油、α−リノレン酸が豊富でアレルギーに良いと言われているえごま油、関節炎にはコラーゲンが豊富な鳥皮やコンドロイチンを含む軟骨、など状況に応じて素材を選ぶとよいでしょう。
使用してはいけない食材についてはご存じかとおもいますが、一応ここに挙げておきます。玉葱、ねぎ類、チョコレート、イカ/タコ、鶏や魚の骨、生の豚肉、シュウ酸の多いほうれん草などです。理由についてはここでは省略します。